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経理マンのためのIFRS情報局

IFRS導入プロジェクトに携わる公認会計士が、これまでの経験や新聞記事を基に情報発信

16. 2017年から適用される基準について(IAS第7号の改訂)

 

 2017年から適用される基準の第2弾です。こちらはIAS第7号「キャッシュ・フロー計算書」に係る改訂です。

 前回のIAS第12号の改訂は、明確化だったので既にその通りにやっている会社には影響がありませんが、このIAS第7号の改訂は開示要求の追加なので、影響の程度にこそ差はあるものの、ほぼすべての会社に影響すると考えられます。

 

 改訂で追加される開示要求の内容自体は簡単で、(ものすごくかみ砕きますが)

「財務活動に係る負債の変動がよくわかる開示」

が求められます。

 

 なお、「財務活動に係る負債」とは、キャッシュ・フロー計算書においてキャッシュの変動が「財務活動に係るキャッシュ・フロー」に分類される負債とされています。つまり、借入金や社債、リースなどが想定されます。また、財務活動に係る負債をヘッジするための金融資産も含まれます。

 また、変動を示すにあたっては、キャッシュ・フローの変動だけでなく、企業結合による増減や外貨換算による増減、さらには公正価値測定による変動といった、キャッシュを伴わない増減についても明示することが求められています。 

 上記の開示規定を満たすための方法について、基準では、期首から期末の増減表を開示することを一つの例として挙げています。むしろこれだけの要求を満たす方法として増減表以外の開示が思いつきませんが。。

 

 ここまでつらつら書いたものの、この改訂で要求されているのは

「借入金や社債といった財務活動に係る負債(及びそれをヘッジする金融資産)について、(現金の増減を伴わないものも含めて)増減要因を明確にした増減表を追加で開示する」

ことです。

 BSとキャッシュ・フロー計算書とのリンクが明確になるように、ということも求められているので、この増減表の項目は、金融商品注記の内訳と同じ区分を用いるのがよいかと思います。そうすると、BS⇒金融商品注記⇒キャッシュ増減の注記⇒キャッシュ・フロー計算書という形で、相互の関連性が説明できるようになるのではないでしょうか。

 

 四半期についてはIAS第34号が併せて改訂されているわけではないので、こうした開示は要求はされず、通常は年度の有価証券報告書から新たに開示が求められることになります。

 また、比較期間の開示が求められていないので、その点は作成者としてはありがたいですね。