経理マンのためのIFRS情報局

IFRS導入プロジェクトに携わる公認会計士が、これまでの経験や新聞記事を基に情報発信

14. 2017年におけるIFRSの動き

 2016年はリース基準が公表されたことが一番大きな話題となりましたが、2017年はどうでしょうか。

 現在のIASBによる作業計画通りに進めば、保険会計に関する基準が2017年の3月頃には公表される予定です。また、概念フレームワークについても今年中には最終版が公表されると見込まれるので、今年で大きなプロジェクトは一区切りとなりそうです。

 また、今年から適用される基準も少なく、未実現損失に係る繰延税金資産の認識、及び開示イニシアティブにおけるキャッシュ・フロー計算書に係る注記の追加がメインです。両基準については日を改めて説明しますが、いずれも大きな作業や準備が必要になる基準でもないと思われます。

 一方、2018年にはいよいよ収益認識と金融商品の新基準が強制適用になるということで、今年はちょうどその準備に向けた時間を取るための小休止のような年になりそうです。

 

 今後の作業計画についてはIASBから5年分の作業計画についてのリリースもありました。これによると、従前から話題に上がっている共通支配下の企業結合や割引率だけでなく、日本の関係者が気にしておられるのれんの減損についてもこれから議論の俎上に載るとのことです。ただ、この作業計画に載ったとしても、具体的にいつまでに基準の改訂を行うかといった計画までは示されていません。もし仮にのれんについてIFRSが償却という方向に舵をきることになるとしても、その方向性が定まるまでに数年を要し(個人的にはこの5年間で決まるのかどうかも疑問視しています)、さらに基準適用までには数年の準備期間が与えられるので、どんなに早くとも向こう5年のうちにのれんの償却がIFRSで必要になるということはないだろうというのが私見です。

 あとは、実務上は持分法の適用においていくつか難点があり、IASBもその点は認識しているはずなのに、持分法が直近の作業計画含められなかったのが個人的に残念でした。

IFRS - 2015 Agenda Consultation