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経理マンのためのIFRS情報局

IFRS導入プロジェクトに携わる公認会計士が、これまでの経験や新聞記事を基に情報発信

2. 平成28年度 公認会計士試験合格者について

昨日、平成28年度の公認会計士試験の合格発表がありました。

平成28年公認会計士試験の合格発表について:公認会計士・監査審査会

 

まずは合格された方、おめでとうございます!

残念な結果になった方も人生は長いので次回頑張って下さい。

 

今年は1,108名が合格。前年の1,051人から少し増えています。ただ、私が注目しているのは受験者数(願書提出者数)です。10,180名から10,256名に微増しています。なぜそこが重要かというと、会計士を目指す若者が増えてくれないと業界が活性化しないためです。

新聞報道などでは、監査法人での採用人数が増えて「就職浪人」が減ったことで会計士志願者が増えたような書き方がされています。しかし、私見ではそんなことで一時的に志願者が増えたところであまり意味がないと思っています(そもそも監査法人での採用増が志願者数に影響しているのかも疑わしいです)。

とりわけ日本においては会計士の置かれている環境は非常に厳しく、私は以下のような連鎖が志願者を減らすことにつながっていると捉えています。便宜上、志願者数の減少を発端にしていますが、これらは循環していて5までいってまた1に戻ります。どこかでこの連鎖を断ち切らないと本当の意味で専門家としての会計士の数が増えないと思っています。

  1. 会計士を目指す人材の減少
  2. 質が高い会計士の絶対数が減少
  3. 企業が会計士に支払う報酬をコストと捉える(付加価値が低い)
  4. 監査法人の収入減少
  5. 会計士の給料減少 

給料の減少が志願者の減少につながるのは悲しい話ですが、事実だと思っています。

私自身が受験したときは会計士の初任給は他の一般企業よりも高く、正直言ってそれが試験を受ける動機になりました。しかし、今の会計士の初任給は私のころよりも低く、監査法人の手当が少ないことを加味すると、大手企業の方が実質的な手取りは多い可能性もあります。難しい試験に合格し、大学生活の多くを犠牲にしているにもかかわらず、です。そのような状況では、優秀な学生ほどあえて会計士試験を受けようとは思わなくなります。

 

この話(どうやって会計士のプレゼンスを上げるか)は割と業界内で盛り上がる話で、色々なことが議論されるのですが、それは別の機会で書くとして、ここでは私見のみ述べます。

 

私は今いる会計士ができることとして、上記2をてこ入れすべきと考えています。つまり、自らが優秀で尊敬される存在になるということ。

正直、会計士の中には、試験に受かったことで満足し、その後の努力を怠る人が少なくありません。また、大学生活において試験勉強に専念するあまり、一般教養やビジネス感覚に欠ける人も多いです。

会計士になるということは、専門家として企業の方々から信頼され、尊敬される存在であるべきだと私は考えています。そうなるためには専門バカであるだけでなく、幅広い知識や教養、センスが求められると思っています。そうあることが、上記の悪い連鎖を断ち切り、会計士制度自体が経済に貢献することにもつながっていくのではないでしょうか。

私もまだまだ未熟で勉強不足であり、こんなことを言うのもおこがましいですが、今回試験に合格した方、今後会計士を目指す方にも「業界を背負って会計士の存在意義を向上させてやるんだ!」というくらいの気概を持って頂きたいです。